【前編】江澤隆輔先生・庄子寛之先生インタビュー~教師も子供も幸せになれる働き方とは~
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
見出し画像

【前編】江澤隆輔先生・庄子寛之先生インタビュー~教師も子供も幸せになれる働き方とは~

今回は、公立校の現役の教師として働き方改革にも積極的に取り組んでいる、江澤隆輔先生、庄子寛之先生のおふたりにインタビューしました。前編、後編に分けてご紹介します。

江澤 隆輔(えざわ りゅうすけ)先生 プロフィール          福井県公立中教諭。学校全体の英語力を上げるため、英語科主任として授業改革を行いながら、講演・セミナー、執筆、YouTube投稿を続ける。
著書には『先生も大変なんです』(岩波書店)『教師の働き方を変える時短』(東洋館出版)などがある。働き方改革に関する著書も多数あり、自身のアップデートを続けている。
庄子 寛之(しょうじ ひろゆき)先生 プロフィール
東京公立小学校指導教諭。専門は道徳。学級担任をしながら全国各地を回り、模擬授業や講演をしている。著書には、『残業ゼロの仕事のルール』などがあり、働き方について模索している。教育新聞には『教師が今すぐ実践できる時短術』を連載し、2019年には女子ラクロスU19日本代表のヘッドコーチを務めるなど、多岐にわたって活動。1900名以上の参加者が集まった、オンラインイベントに登壇。withコロナの学校について研究を進めている。


―2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症の対応で大変ご苦労されたと思いますが、この間を振り返られて、いつにも増して業務が増える中、先生ご自身は学校でどのような工夫をされましたか。また、周囲の先生方とどのように協力して未曽有の状況を乗り切られましたか。

庄子先生: 一斉臨時休業中に、職員会議をzoomでやったら簡単につなげることが分かりました。休業が長引く中、教育委員会や校長にzoomでの朝の会を提案したところ、チャレンジさせてもらうことができました。校内では「まずはやってみよう」と管理職や先生方が動いてくれたのが、公立学校としてはかなり早い時期に、全校でオンライン朝の会が実現できた理由だと思います。
また、休業になった後は、他校や海外のよい事例から学ぼうと情報収集に努めました。よい事例を広くシェアしようとオンラインセミナーを開催したら2,000人くらいのイベントになるなど、大きな反響がありました。

庄子先生11

江澤先生:私の場合、休業でもオンラインで出来ることを管理職に提案しましたが、学校全体で組織として新しいことに取り組むのは難しかったです。
ただ、組織全体としては出来なくても、個人で取り組むことにはOKしてもらえたので、YouTubeで英語の授業の様子を配信しました。他の先生方との協力という点では、職員同士のやり取りをSlackに変えることができ、コロナ禍でもスムーズなコミュニケーションが図れたのはよかったと思います。

江澤先生11


―大変お忙しい中、お二人とも、新しいことに取り組んでおられる様子が伝わってまいりますが、その原動力について教えてください。

庄子先生:「時代が変わるのだから、教師である自分も変わっていきたい」という想いです。私は海外に足を運ぶ機会が多いのですが、「日本の常識が世界の非常識」ということはよくあります。だからこそ、日本の中でしか通用しない価値観に縛られずにいたいと思っています。20年近く教師をしていますが、日本の教育はすごく良いと思うのですが、時代の変化に対して変わらないことが多いように感じます。

江澤先生:常に新しいことを勉強し取り入れたい、試してみたいという気持ちを持っています。以前、忙しくて数か月、本を読めない時期があり、世の中から自分が取り残されるような危機感を感じたことがありました。常に新しい授業の仕方、働き方改革に向けた取り組みを学び、試して良くしていきたいと思っています。

―先生自身が子供のためにも変化をすることが大切ということですが、お二人の中で、時代が変わっても教師として変わらずに守りたいこと、逆に学校現場の中でもっと変えた方がいいと思うことについてそれぞれ教えてください。

庄子先生:変わらずに守りたいのは、「子供とともに授業を作りたい」ということです。映像などで学べることがますます増えてくる時代だからこそ、人と人が学級という「小さな社会」に集まり、触れ合いながら、ともに学び合うことを大切にしたいです。
学校現場で変えたいのは、ICT環境です。未だに情報セキュリティの環境整備が遅れていることもあり、テレワークがしにくいなど、世の中とのギャップが大きいと思います。機密情報を扱う企業でもテレワークが出来るのに、公立の学校だけが職員室以外で事務ができないということはないはずです。

江澤先生:私の専門の英語教育の例で言うと、英語の学習方法はICTの普及により変わると思います。単語や文法の学習は、ネットを使えば家でもできるようになるでしょう。だからこそ、生徒との間で英語でやりとりをするなど、授業でしかできないことを大切にしていきたいです。
また、学校で変えていきたいのは教師自身の働き方の意識ですね。遅くまで仕事するのが普通の状態から、早く帰るのが普通になったら良いと思います。


―お二人が教師として一番大切にされていることをお聞かせください。

庄子先生:「子供から学ぶ」ということです。子供に「どう思う?」といろいろな問いを投げかけてみて、返ってくるそれぞれの答えから自分が学ぼうという考えを大切にしています。子供の感覚は、意外に時代にマッチしていて、面白いですよ。

庄子先生22

江澤先生:授業の面と、学級運営の面と、それぞれあります。
授業については、子供とのコミュニケーションを大切にしています。私は英語の教師ですが、本当に英語を学びたいと思うタイミングは、子供たちひとりひとり、違うと思います。授業では、学びたくなった時に自ら学ぶやり方がわかるようにと意識しています。
学級運営については、信頼関係を築くことを大切にしています。信頼関係の基本は、相手を知ることだと思いますので、兄弟姉妹や家庭の状況、部活動など一人ひとりを詳しく知り、声をかけるようにしています。

江澤先生00

後編につづく




現場で日々奮闘する現職の教師、教職を目指す方々の皆さんで、学校の働き方改革や新しい教育実践の事例、学校にまつわる日常を遠く離れた教師、ベテラン教師から若い教師に、現職の教師から教師を目指す方々に、学校の未来に向けてバトンを繋ぐためのプロジェクトです。