部活動改革に取り組む、つくば市立谷田部東中学校の八重樫通先生インタビュー【前編】
見出し画像

部活動改革に取り組む、つくば市立谷田部東中学校の八重樫通先生インタビュー【前編】

今回は、公立中学校の校長として部活動改革に積極的に取り組んでいる、八重樫 通(やえがし とおる)先生にインタビューしました。前編、後編に分けてご紹介します。

画像6

部活動改革に取り組まれたきっかけ、問題意識はどのようなものですか?

-私の部活動改革への取組は、2017年に校長として赴任した茎崎中学校において、生徒数の減少により、野球部やサッカー部が廃部の危機にあったことに端を発します。当時、全校生徒数が200名まで減っていました。生徒のやりたい気持ちが学校の生徒数に左右されることは、仕方ない問題として片づけて良いのか?学校の枠を超えて地域として支えるべきではないのか?という問題意識を持ちました。同時に、教師の指導の限界も感じており、特に未経験種目を担当させられる教師の御苦労や、教師自身の高齢化、核家族化が進む中で時間を確保することの難しさにも直面しました。

また、学校の働き方改革が進む中、教師の長時間労働の原因として部活動指導が占める要素は非常に大きいです。かつて私は「学校こそが未来を創る場所」だと信じ教師を志しました。もちろんその想いに変わりはないですが、「#教師のバトン プロジェクト」への投稿にもあるように、多くの仲間の先生が過労で倒れ休職、退職されていく実態があります。学校を本来あるべき姿にするには、学校の働き方改革に、今こそ取り組まなければならないと考えています。特に中学校の働き方改革の本丸である「部活動改革」については、学校の「パンドラの箱」であり、その箱を開けられるのは、校長しかいないと思いました。

今までの具体的な取組内容について教えてください。また、どのような成果を感じておられるでしょうか?

―具体的に動き始めたきっかけとしては、当時の谷田部東中学校のY校長から、2018年4月に設立された市民団体「洞峰地区文化スポーツ推進協会(DOHO Cultural&Athletics Academy)」を通じた部活動改革プラン(DCAA構想)を御紹介いただいたことです。民間のクラブと学校が協働した、受益者負担型の任意団体により、学校だけにかかっていた負担を軽減するとともに子どもたちのアクティビティを確保するものです。部活動に頼らずとも谷田部東中学校の文化スポーツ活動をより充実させ、洞峰地域と谷田部東中学校が共に発展するために設立されたもので、素晴らしい仕組みだと思いました。これは自分もやらなくてはならないと決断し、Y校長に人的資源を御紹介いただいたり、資料をいただいたり後を追いかけるようにして、2018年11月にまずはDCAAを参考に「茎崎地区文化・スポーツクラブ(Kukizaki Culture&Sports Club)」(以下、KCSC)という任意団体を立ち上げて、取り組み始めました。KCSCも、市民団体と民間のクラブと学校が協働した、受益者負担型の任意団体です。以下の図のように、KCSCが担当する曜日を設定することで、学校の部活指導の負担が減り、少しずつですが働き方改革につながり始めました。

KCSCの概要

R1とH30勤務時間の比較

 その後、茎崎中学校から谷田部東中学校の校長へと異動になり、Y校長からDCAAを引き継いで運営をしています。DCAAは、学校管理下の部活と併設されて展開される活動です。この活動をDCAAが運営し、谷田部東中学校の部活動がより良い環境で進められるようにサポートします。スポーツ庁が示す地域部活動の取組として、スポーツ庁、茨城県、つくば市の公共機関と連携して運営をしています。受益者負担、補助金により週1回程度の活動日を設け、つくばFCに事務局を置いて実施しているものです。「つくばユナイテッド Sun GAIA」などから指導者を派遣していただくなど、民間と協働して進めています。

(後編につづく)

バスケットクラブ対抗戦




現場で日々奮闘する現職の教師、教職を目指す方々の皆さんで、学校の働き方改革や新しい教育実践の事例、学校にまつわる日常を遠く離れた教師、ベテラン教師から若い教師に、現職の教師から教師を目指す方々に、学校の未来に向けてバトンを繋ぐためのプロジェクトです。