「教育進化のための改革ビジョン」について
本日(令和4年2月25日)、「教育進化のための改革ビジョン」を公表しました。
これは、新型コロナウイルス感染症を契機として、様々な生活様式が変わり、また、デジタル化が急速に進む中、初等中等教育段階の教育政策について、何を重視し、どのようなことに取り組もうとしているのかお示しするものです。
基本理念は次の2つです。
◆ 誰一人取り残さず、個々の可能性を最大に引き出す教育
◆ 教職員が安心して本務に集中できる環境
具体的には、以下の4つの柱で進めていきたいと考えています。
①「リアル」×「デジタル」の最適な組合せによる価値創造的な学びの推進
GIGAスクール構想を進めてきましたが、コロナ禍では、学校行事や学校外の活動が制約され、特に経済的に困難を抱える家庭では、体験機会が少なくなっています。デジタル時代だからこそ、実体験して学ぶことの価値を再認識し、「リアル」と「デジタル」の最適な組み合わせによる価値創造的な学びを推進します。
さらに、文系・理系の枠にとらわれない探究的な学びや教科横断的な学びを大学・企業とも連携して推進していきます。
②これまでの学校では十分な教育や支援が行き届かない子供への教育機会の保障
従来の教育政策は、障害のある子供や、不登校の子供、困窮家庭の子供、特異な才能のある子供、日本語指導が必要な子供への対応が必ずしも十分ではない面がありました。どのような状況にある子供も取り残さず、寄り添っていくための施策の拡充を検討します。
③地域の絆を深め共生社会を実現するための学校・家庭・地域の連携強化
少子化や核家族化が進む中で、現代の子供たちは豊かな体験の絶対量が不足しており、コロナ禍で、この傾向に拍車がかかっています。異年齢交流やボランティア、職業体験、介護体験等、人と関わる機会の拡充を、学校を核とする教育システムに組み込むことが重要です。
具体的な仕掛けとして、令和4~6年度を重点期間としてコミュニティ・スクールの導入を加速させます。また、経済団体等とも直接対話し、企業やNPOを学校の活動に本格的に巻き込む大きな流れを作っていきます。
④教職員が安心して本務に集中できる環境整備
本日閣議決定した「教育公務員特例法及び教育職員免許法案」は、近く国会でご審議いただきますが、それと同時に、デジタル技術の活用を含め、研修を高度化する方策や、校務の情報化をはじめとする働き方改革を具体化するため、文部科学大臣のもとに「学校DX推進本部」を設置します。
今後、これらの4つの柱に従って、教育政策を力強く進めてまいります。